3月30日のカクテル 「アラスカ」

2025年3月30日 日曜日

 

 

 

 

 

  ( アレクサンドル皇帝  )
≪ 場面1. 19世紀中頃のロシア ≫

財務大臣 : アレクサンドル皇帝様っ!

         クリミア戦争の敗北で我ロシアの財政はとっても厳しいです!

皇     帝 : うむ、くるしゅうない・・・。

財務大臣 : いいえ、かなり苦しいんです。大変なんです!

皇        帝 : 落ち着け大臣、世界の6分の1が我国だ。

        どこか端っこの土地でも売ってしまえ!

財務大臣 : ではベーリングが発見した、東の端っこのアラスカは?

        あそこはいつも凍っていてどうしようもないですよ。

皇    帝 : うむ、そこを売るのだ。我国に勝ったイギリスにだけは売ってはならんぞ!

財務大臣 : では終戦の仲介をしてくれたアメリカにでも売っちゃいましょうか?

皇   帝   : アメリカとアラスカは陸続きだし良いではないか。

        大至急リンカーンとアポイントを取れ!

財務大臣 : お忘れですか?リンカーンは一昨年に暗殺されました、

        今はジョンソンが大統領です!

皇        帝 : う、うむ、よきにはからえ…。

というわけで1867年3月30日午前4時、

アラスカ1,518,800 km2はロシアからアメリカに1km2あたり5ドル

合計約100億円で売り渡されたのです。

100坪で200円の土地でした。

3月30日のカクテルは「アラスカ」にしましょう。

[ Alaska ]レシピ

ドライジン 40ml

シャリュトリューズ・ジョーヌ 20ml

材料をミキシンググラスでステアして、カクテルグラスに注ぐ。

≪ 場面2.  19世紀中頃のアメリカ ≫

アメリカ人その1 : おい今日の新聞見たか?

            お国がアラスカを100億円で買ったってよ。

      その2 : 随分と高い冷蔵庫を買ったじゃねえか、なあ。

      その3 : 大統領が北極グマでもペットに飼うんだろう。

当時のアメリカ国民からは強烈に非難されたアラスカ買収ですが、

その後豊富な資源が見つかり現在では高く評価されているそうです。

3月29日のカクテル 「 ロング・アイランド・アイス・ティー」

2025年3月29日 土曜日

1886年3月29日の事。

ジョージア州・アトランタのとある薬局。

お  客  さ  ん : 最近頭痛がひどいんだよ、頭痛薬をくれ…。

ペンバートン薬剤師 :    また飲みすぎたんじゃあないですか?

                                              たんなる二日酔いですよ。

お  客  さ  ん  :  そうかなー、それに最近疲れやすいんだよ。

               なんかこう元気になる薬ってないか?

ペンバートン薬剤師 :   ふむふむ、じゃ私が自分用に発明した薬があるので

              水で割って差し上げましょう。はい、どうぞ・・・。

お  客  さ  ん :   おっ、ありがと!ゴクゴク・・・

ペンバートン薬剤師 :   あっ、間違えてソーダで割っちゃった。

お  客  さ  ん :   おい、この薬ものすごくうまいぞ!

                                             も、もう一杯くれっ!
 
世界一飲まれている清涼飲料水、そしてアメリカの象徴の「コカ・コーラ」は、

こんな感じで誕生した。


それから100年後の1980年代初頭、

アメリカ・ニューヨーク州ロングアイランド島のとあるバー。

お 客 さ ん : あー、頭痛ぇー。迎え酒くれ・・・。

バーテンダー  :    あらら、また二日酔いですか?

お  客  さ  ん      :   どうやら、そのようだな・・・。

              でも今日はいつもより症状がひどいぞ。

              それに最近疲れやすいんだよ。

                                 なんかこう元気になるカクテルってないか?

バーテンダー :   ふむふむ、普通の迎え酒では効き目が無さそうですね。

お  客  さ  ん    :   そうだな、ガツンとパンチのある強力なのが良いな。

バーテンダー :   じゃ私が発明した新しいカクテルを

                                ソーダで割って差し上げましょう。

           はい、どうぞ・・・。

お  客  さ ん  :   おっ、ありがと!紅茶みたいな色だな、ゴクゴク・・・

バーテンダー :   あっ、間違えてコーラで割っちゃった。

お 客 さ ん :   おい、このカクテルものすごくうまいぞ!

          も、もう一杯くれっ!
 
紅茶を一滴も使わないで、

アイスティーの味わいと色を出した魔法のカクテル、

『 ロングアイランド・アイスティー 』。

こんな感じで誕生したんだったらおもしろいなぁー。

コーラが偶然に誕生した日にちなんで、

今日のカクテルはコーラが無いと作れないこのカクテルにしましょう。

Today’s Cocktail  [ Long Island Iced Tea ] 『 ロングアイランド・アイスティー 』

Recipe :

ドライジン 15ml

ウオッカ 15ml

ラム 15ml

テキーラ 15ml

コアントロー 15ml

レモンジュース 2tsp

シュガーシロップ 2tsp

コーラ  適量

氷を入れたグラスに材料を注ぐ。

3月28日のカクテル 「ブルー・ムーン」

2025年3月28日 金曜日

映画「エディットピアフ 愛の賛歌」、

2007年第80回アカデミー賞主演女優賞を受賞した。

主人公のエディットピアフは実在の女性で、

フランスが生んだ最高のシンガーと呼ばれている。

ピアフが作詞した「 愛の賛歌 」はシャンソンの代名詞だ。

     世界の涯までも行きます

     金髪に染めもします

     あなたがそう言うなら

     お月様をとりにだって行きます

     宝物を盗みにだって行きます

     あなたが欲しいと言うなら

     自分の国を見捨ててもいい

     友達を見捨ててもいい

これが愛の讃歌の原詩の一部、過激な歌詞はピアフの特徴だった。

日本では永田文夫さんの訳詩を美川憲一さんが歌っている。

また、美輪明宏さんは自身で訳した詩を朗読してから原詩のフランス語で歌っている。

美川さん、美輪さんの両男性(?)は、ほぼ原詩に近い背徳的な訳詩ですが

唯一、まったく違う訳し方をした女性がいた。

以下がその訳詩だ。
     

     頬と頬よせて 燃えるくちづけを 交わす喜び

     あなたと二人で 暮らせるものなら

     なにもいらない なにもいらない

     あなたと二人で 生きていくのよ

     あたしの願いは ただそれだけよ

     あなたと二人

翻訳したのは岩谷時子さん。こちらの訳の方が日本ではポピュラーな気もする。

岩谷さんは加山雄三の「君といつまでも」や、

ザ・ピーナッツの「恋のバカンス」を作詞した作詞家でもある。

3月28日はその岩谷さんの誕生日。

愛の讃歌の原題「L'hymne à l’amour 」にちなんで

アムール(愛)という名のついたリキュール、

「 パルフェタムール 」を使ったカクテルを、今日のカクテルにしましょう。

『 ブルー・ムーン 』

ドライ・ジン 30ml

パルフェタムール  15ml

レモンジュース 15ml

材料をシェークしてカクテルグラスに注ぐ

 

 ピアフ本人。
「パルフェタムール」は英訳すると「パーフェクトラブ」、

つまり「完璧な愛」となる名前のお酒。

エディットピアフにとっての完璧な愛が

「愛の讃歌」の詩の世界だったのではないか・・・。

映画を見た後にそう思った。

何人ものシンガーの愛の讃歌を聴いてみるのも楽しいかもしれない。

ところで、岩谷さんの訳詩で歌っている日本のシンガーはお判りですか?

 WAHAHAの梅垣さんじゃないからね…。

tokiko[1]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2013年10月25日、岩谷さんは97歳の生涯を終えられたそうです。

3月27日のカクテル サラ・ヴォーン「枯葉」

2025年3月27日 木曜日

1950年代のアメリカジャズ界。

ビリー・ホリデイ亡き後に、女性ヴォーカリスト御三家が誕生した。

エラ・フィッツジェラルド、カーメン・マクレエ、そしてもう一人が、サラ・ヴォーン。

(Sarah Vaughan)
オペラ歌手にもひけをとらない幅広い声域と声量から、

ジャズ・ヴォーカリストの枠を超越し、

“ザ・シンガー”という表現で賞賛された。

1982年に発表されたスタジオ・アルバム「枯葉」で、

タイトルの「枯葉」をスキャットで歌い上げた。

アドリブの極致と評されたこの録音が

ジャズファンの度肝を抜き、やがて彼女の代表曲となりました。

枯葉 [SHM-CD][CD] - サラ・ヴォーン - UNIVERSAL MUSIC JAPAN

3月27日は、サラ・ヴォーンがうまれた日。(1924~1990年)

そこで今日のカクテルは「 枯葉 ~Autumn leaves~ 」にしましょう。

Today’s cocktail 『 Autumn Leaves 』
Recipe

Dry Gin ドライジン 45ml

Dry Vermouth ドライ・ヴェルモット 20ml

Rime juice ライムジュース 10ml

材料をシェークして各カクテルグラスに注ぐ

3月26日のカクテル 「エンドレス・ラブ」

2025年3月25日 火曜日

3月26日はダイアナ・ロスが生まれた日(1944)

 

 

 

 

 

 

1961年に、

シュープリームスとしてデビュー。

この時の12曲と

1970年にソロデビューしてからの6曲の

あわせて18曲がビルボードで一位を獲得している。

これはビートルズの20曲に迫る、

史上二位の記録だ。

 

1981年にはライオネリチッチーとデュエットした、

エンドレスラブが、ヒット。

デュエットバラードの定番となった。

今日のカクテルは、

エンドレス・ラブにしましょう。

「エンドレス・ラブ」 レシピ

スコッチウイスキー2/4
アプリコットブランデー1/4
レモンジュース1/4
グレナデンシロップ1tsp.

 材料をシェークして、カクテルグラスに注ぐ。

1975年発表の『マホガニーのテーマ』は

Theme From 'Mahogany'(Do You Know Where You're Going To)

日本ではネスカフェのCMでお馴染みですね。

 

3月25日のカクテル 「マリリン・モンロー」

2025年3月25日 火曜日

3月25日はミュージシャン、エルトン・ジョンが生まれた日(1947)

 

 

 

 

 

70年代から現在まで活躍し続け

ナイトの称号を許されたイギリスが誇るピアノマン

1973年に 発表されたアルバム

「黄昏のレンガ路」(Goodbye Yellow Brick Road)が代表作

その二曲目に収録されたのは

「風の中の火のように(孤独な歌手、ノーマ・ジーン)」

(原題 – Candle in the Wind)

マリリン・モンローに捧げられた曲だ

 

 

 

 

 

 

※ 和訳した歌詞の一部

さよならノーマ・ジーン

あなたの生きた人生は

まるで風の中のキャンドルのよう・・・ 

発表当時からバラードの名曲とされた作品だ

今日のカクテルは、この曲にちなんで

マリリン・モンローにしましょう

「マリリン・モンロー」 レシピ

ウオッカ 3/4

カンパリ 1/8

スイート・ヴェルモット 1/8

材料をステアして、カクテルグラスに注ぐ。

この曲は1997年にリメイクされジョン自身がセルフカバー、

空前の大ヒットとなった

この時、歌い出しの「さよならノーマジーン」の部分は

「さよならイングランド・ローズ・・・」と代えられた

曲名は

「キャンドル・イン・ザ・ウィンド1997/さよならイングランド・ローズ」

イングランド・ローズとは・・・、

元英国王妃、プリンセス・ダイアナ

 

 

 

 

 

 

 

不慮の交通事故で亡くなった

ダイアナへの追悼曲として蘇ったのでした

3月24日のカクテル 「グラス・ホッパー」

2025年3月24日 月曜日

3月24日はイギリスの時計職人、

ジョン・ハリソン(John Harrison)が生まれた日(1693ー1776)

John Harrison Uhrmacher.jpg

1735年にクロノメーターを発明した人物です

時代は18世紀初頭

当時、最も正確な時計は振り子式のものだった

そのため、揺れの強い船の上では正確な時間を知ることが困難であった

そのことは海上では自分の船の位置を正確につかめないことを意味し

大航海時代を迎えていたその頃は大規模な海難事故が後を絶たなかった

  (グラスホッパー脱進機)

ハリソンは摩擦や振動に強い「グラスホッパー脱進機」を考案し

船上でも正確に時間を刻むマリン・クロノメーターH1の開発に成功した

ハリソンのクロノメーターH1 (クロノメーターH1)

1764年には更に小型化され精度も向上したH5が開発される

 (H5)

これによってイギリス海軍は大洋を自由に航海できるようになり

その強大な力のもとに世界中に植民地を築いていったのだ…

今日のカクテルはグラスホッパー脱進機にちなんで

「グラスホッパー」にしませんか?

「グラスホッパー」 レシピ

グリーンミント・リキュール 20ml

ホワイトカカオ・リキュール 20ml

フレッシュ・クリーム 20ml

以上をシェークして、カクテルグラスに注ぐ。

19世紀に七つの海を支配した大英帝国の絶頂は

ハリソンのクロノメーターの開発があったからこそだったのです

 

3月23日のカクテル 「ラプソディ」

2025年3月23日 日曜日

3月23日は黒澤明が生まれた日(1910ー1998)

 

 

 

 

 

ジョージ・ルーカス、スピルバーグ、コッポラ、フェリーニ

名監督たちが黒澤をリスペクトしていることを隠さない

 

 

 

 

 

 

黒澤と同じくヴェネチアで金獅子賞を受賞している北野武監督も

お互いがファンであることを公言した

北野作品では、黒沢の長女・和子さんが衣装デザインを担当している

 

 

 

 

 

 

 

さて、1991年に公開された黒澤監督の「八月の狂詩曲(ラプソディー)」は

長崎へ投下された原爆を引き合いに、鋭く反核を訴えた作品だ

 

 

 

 

 

 

福島原発事故から8年が過ぎて

反原発や脱原発を唱えた日本の政治も

再び推進の道を選択しようとしているが

この映画では

戦争と原子力爆弾に真っ向から反対する

ぶれないクロサワの意志を再確認できる

 

 

 

 

 

今日のカクテルは「八月の狂詩曲」にちなんで

「ラプソディー」にしませんか?

「ラプソディー」 レシピ

レッド・キュラソー(ボルス・プルミエ) 10ml

ウオッカ 10ml

キャロット・ジュース 30ml

グレナディン・シロップ 1tsp

材料をシェークして、カクテルグラスに注ぐ。

(カクテルの作者は旭川市バー・ムーンライトの盛田博智氏)

3月22日のカクテル 「チャーリー・チャップリン、マルセル・マルソーVir.」

2025年3月22日 土曜日

3月22日はマルセルマルソーが生まれた日(Marcel Marceau 1923ー2007)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白塗りの顔、ヨレヨレのシルクハット、ピンストライプのシャツ

帽子にはいつも花

彼の生み出したキャラクター、「Bip」

そのスタイルは、あまりにも有名

パントマイマの一般的なイメージとまでなった

 

 

 

 

 

 

マイケル・ジャクソンが披露した「ムーン・ウォーク」

これを考案したのもマルソー

沈黙の詩人と称された彼の活動はパントマイムの範疇を飛び出し

多くの芸術家に影響を与えたとされている

そのマルソーが若かりし頃、俳優を目指すきっかけとなったのは

「チャーリー・チャップリン」を見たことだったそうだ

今日のカクテルはチャーリー・チャップリンをアレンジして

「チャーリー・チャップリン、マルセル・マルソーVir.」にしましょう

レシピ

アルマニャック 30ml

アプリコット・ブランデー 10ml

スロージン 10ml

レモン・ジュース 10ml

材料をシェークして、氷の入ったオールドファッショングラスに注ぐ

オレンジピールを絞りかけ、そのままグラスに入れる

 

 

 

 

3月20日のカクテル 「スロー・ダンサー」

2025年3月20日 木曜日

3月20日は片岡義男が生まれた日(1940)

代表作は直木賞候補になり、

映画化もされた「スローなブギにしてくれ」。

原作は角川文庫から1976年に発表されている。

 

 

 

 

 

 

 映画では古尾谷雅人が主演。

ヒロインは映画デビューの浅野温子。

山崎努が物語の展開を左右する脇役をつとめた。

片岡の作品はどこかアメリカの香りがする。

「スローな」の舞台も福生の米軍ハウスだった。

洒落た建物とバイク、ムスタングと音楽、

そして得体の知れない少女(浅野)。

物語は一気にエンディングまで進み、

最後は一枚のレコードに針が落とされて終わる。

この曲がデビュー間もない

ハウンドドッグの「嵐の金曜日」だった。

南佳孝が担当した映画の挿入歌もヒット

片岡作品にはオートバイが頻繁に登場する。

「彼のオートバイ、彼女の島」も、そうだ

デビューしたての竹内力や

原田貴和子が爽やかな演技を見せた。

全編に漂う瀬戸内の美しい光景は

大林宣彦監督ならでは。

同監督が得意とする尾道作品の

ひとつと言って良いのかもしれない。

今日のカクテルは「スロー」にちなんで

「スロー・ダンサー」にしましょう。

ただし、

こちらのスローは「ゆっくり」のスローではなく

果物のすももを意味する「スロー」なのですが・・・

「スロー・ダンサー」レシピ

スパニッシュ・ブランデー(ゴンザレス・ソベラノ) 30ml

スロー・ジン(ゴードン)15ml

レモンジュース(フレッシュ)10ml

フランボワーズシロップ(モナン) 5ml

材料をシェークして、カクテルグラスに注ぐ。