1987年4月11日のアカデミー賞授賞式。
満州国最後の皇帝「溥儀」の人生を描いた作品、
『ラスト・エンペラー』が
9部門で受賞するという快挙を成し遂げました。
音楽部門では、映画に出演もしていた坂本龍一さんが
日本人初の受賞をされました。
※
坂本さんは、重要な登場人物のひとり
「甘粕正彦役」を演じました。
自決シーンでは
脚本にあつた切腹シーンを拒否、
監督を説得して拳銃自殺に変更させた
というエピソードがあります。
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音楽のオファーを受けたのは
撮影が終わって半年後だったそうです。
『 ラスト・エンペラー 』の劇中には
坂本さんが作曲した44曲が挿入されていますが
30番目に流れる曲目が「レイン」でした。
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その曲をイメージして作られたカクテルがあります。
カクテル名はMusic30番目ということから
『 M-30 レイン 』とネーミングされました
そこで今日のカクテルは、この『M-30レイン』にしましょう。
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M-30 Rain (エム・サーティ・レイン)Cocktail
recipe
ウオッカ Vodka 4/6
シュペヒト・パンペルムーゼ Pampelmuse 1/6
フレッシュ・ライム・ジュース Fresh Rime juice 1/6
ブルー・キュラソー Blue curacao 1tsp
材料をシェークしてカクテルグラスに注ぐ。
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作者は東京・銀座のバー「テンダー」の上田和男氏。
実際に坂本龍一さんに提供したカクテルだそうです。
挿入曲の「レイン」は、
もの悲しい雨が降り続くシーンで使われました。
そこでカクテルの色や味覚にも
曲想が表現されています。
ブルー・キュラソーの量が多すぎると
晴れやかな青空の色になってしまうので
注意が必要だと
作者の上田氏からアドバイスをいただきました。
悲しい雨のシーンでスクリーンに映し出された空の色まで
考慮したカクテルなのです。
映画を撮影したヴィットリオ・ストラーロは
『地獄の黙示録』や『レッズ』でも、
アカデミー賞撮影賞を受賞しているトップカメラマン。
光の表現に定評がある彼の映像と坂本さんの音楽が
カクテルグラスの中で甦る。
カクテルの醍醐味を堪能できる至極の一杯です。
私がこのカクテルを作る際は
半透明の仕上がりにしたいので
グレープフルーツジュースは必ずフレッシュを使います。
ブルーキュラソーはボルス社のものを使用し、
スポイトを使って2滴と決めています。
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