4月11日のカクテル 「M30ーレイン」

2021年4月11日 日曜日

1987年4月11日のアカデミー賞授賞式。

満州国最後の皇帝「溥儀」の人生を描いた作品、

『ラスト・エンペラー』が

9部門で受賞するという快挙を成し遂げました。

音楽部門では、映画に出演もしていた坂本龍一さんが

日本人初の受賞をされました。

坂本さんは、重要な登場人物のひとり

「甘粕正彦役」を演じました。

自決シーンでは

脚本にあつた切腹シーンを拒否、

監督を説得して拳銃自殺に変更させた

というエピソードがあります。

音楽のオファーを受けたのは

撮影が終わって半年後だったそうです。

ラスト・エンペラー 』の劇中には

坂本さんが作曲した44曲が挿入されていますが

30番目に流れる曲目が「レイン」でした。

その曲をイメージして作られたカクテルがあります。

カクテル名はMusic30番目ということから

M-30 レイン 』とネーミングされました

そこで今日のカクテルは、この『M-30レイン』にしましょう。

M-30 Rain (エム・サーティ・レイン)Cocktail 

recipe
ウオッカ Vodka  4/6
シュペヒト・パンペルムーゼ Pampelmuse  1/6
フレッシュ・ライム・ジュース Fresh Rime juice  1/6
ブルー・キュラソー Blue curacao  1tsp

材料をシェークしてカクテルグラスに注ぐ。

作者は東京・銀座のバー「テンダー」の上田和男氏。

実際に坂本龍一さんに提供したカクテルだそうです。

挿入曲の「レイン」は、

もの悲しい雨が降り続くシーンで使われました。

そこでカクテルの色や味覚にも

曲想が表現されています。

ブルー・キュラソーの量が多すぎると

晴れやかな青空の色になってしまうので

注意が必要だと

作者の上田氏からアドバイスをいただきました。

悲しい雨のシーンでスクリーンに映し出された空の色まで

考慮したカクテルなのです。

映画を撮影したヴィットリオ・ストラーロは

『地獄の黙示録』や『レッズ』でも、

アカデミー賞撮影賞を受賞しているトップカメラマン。

光の表現に定評がある彼の映像と坂本さんの音楽が

カクテルグラスの中で甦る。

カクテルの醍醐味を堪能できる至極の一杯です。

 

 

 

 

 

 

私がこのカクテルを作る際は

半透明の仕上がりにしたいので

グレープフルーツジュースは必ずフレッシュを使います。

ブルーキュラソーはボルス社のものを使用し、

スポイトを使って2滴と決めています。