第七回柴田錬三郎賞受賞、伊集院静「機関車先生」

2011年11月11日 金曜日

伊集院静氏、1994年の作品。

機関車先生。

昭和30年代の瀬戸内海に浮かぶ葉名島。

この島にある、水見色小学校に北海道より臨時教師、吉岡誠吾が赴任してきた。

彼は子供の頃の病気が原因で、口をきく事が出来なかった。

子供達は彼の事を「口を”きかん”」→『機関車先生』というあだ名で呼ぶようになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

葉名島は架空の島で、伊集院氏の故郷である山口県防府市の三田尻港から

15キロほど、船なら約30分で行ける、瀬戸内海国立公園の中にある

野島(のしま)がモデルとなりました。

野島です↓

 

 

 

 

 

 

面積は0.73平方㎞、島の周囲3.4㎞、人口200人の島、

どうやら釣りの名スポットのようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

物語には登場人物が次から次と出てきます。

メモを取りながら読みました。これから機関車先生を読む方はご参考にどうぞ。

登場人物メモ

丘野洋子 : 9歳、水見色小学校4年生

るい婆さん : 丘野洋子の祖母

モグ : 丘野家で飼っている牛

相原

佐古周一郎 : 水見色小学校、校長

西本修平 : 9歳、四年生

井口妙子 : 12歳、六年生 阿部よねの孫

吉岡誠吾 : 30歳、機関車先生

渡辺 : 水見色小学校教員

吉岡文子 : 誠吾の母

美作みまさか満 : 10歳、五年

素平 : 美作家の使用人

関景子 : 二年

宇田村隆司 : 一年

田中美保子 : 一年

ポン : 丘野洋子の夢に出てくる狸

美作重太郎 : 満の父

阿部よね : 産婦人科医

藤尾潤三 : 中二、水見色小学校卒業

藤尾節子 : 潤三の母

吉岡辰弥 : 吉岡誠吾の父

作造 : 吉岡文子の生家で働いていた使用人

まだまだ出てきますよ。

1997年にアニメ化されています。

なんと主人公の吉岡誠吾の声は作者の伊集院先生が担当されたようです。

口のきけない役の吉岡誠吾の声優?

どのようなシーンだったのか興味深いです。

 

 

 

 

 

 

2004年には坂口憲二さん主演、廣木隆一監督で映画化されています。

 

 

 

 

 

7人の生徒たち……一人多い、大人が混じっているね。

 

 

 

 

映画のロケは香川県の丸亀港から船で30分ほどの本島と香川市内で行われました。

物語の舞台となる水見色小学校は廃校となった本島小学校西分校が使われました。

 

 

 

 

 

 

 

 

見学できるようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

体が大きく剣道も強い吉岡誠吾のモデルは伊集院先生本人だと思っていました。

ところが、2010年に講談社から発刊された伊集院静の「お父やんとオジさん」を

読んで、それが間違いだと気がつきました。

この作品は完全に伊集院氏の自伝で、ノンフィクションと言っても差し支えないようです。

「海峡」、「春雷」、「岬へ」では英雄となっていた主人公も、

この作品では伊集院氏の本名、ター君となっている。

源蔵さんもシミゲンさんになった。

つねに実名で登場していた小夜さんが、なぜかお手伝いさんになっていておもしろい。

この作品に登場する伊集院氏の母の弟、つまりオジさんは、

神宮で行われた天覧試合に(天皇の前でする試合)に出るほどの、

剣道の達人だったようです。

この方が吉岡誠吾のモデルだったんですね。

さて、ラブリーなタイトルの「お父やんとオジさん」ですが、

内容はハードです。朝鮮戦争のさなかに北朝鮮にいるオジさんを助けに向かう

伊集院氏の父の実話です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

母は、泣き崩れて弟の救出を父に懇願する。

失敗すれば、その場で捕縛され、射殺されるかもしれない。

だが、父は平然と言った。

「心配するな。何とかしてみよう」

「お父やんとオジさん」より……