2015年5月23日
第68回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門で
日本の浅野忠信、深津絵里が主演した『岸辺の旅』が
見事に監督賞を受賞した
受賞監督は黒沢清、58才(当時)
学生時代に長谷川和彦監督の『太陽を盗んだ男』で制作助手を務めた
劇中、渋谷のデパートの屋上から札束をばらまくシーンを撮影
お金をばら撒くのは法律違反で撮影許可が下りず
お金ではなくて、お金そっくりの紙を撒くと訂正したが
それは、もっと重い犯罪になると当局から注意された<笑>
仕方なく、無許可で撮影を決行(偽物のお金で…)
警察の忠告通り、ある意味で予定通り「逮捕」された経験を持つ
この映画でチーフ助監督をした相米慎二の監督作品
『セーラー服と機関銃』には助監督として参加
劇中で主演の薬師丸ひろ子が機関銃をぶっぱなすが
その機関銃のモデルを決定したのも黒沢
クライマックスの有名なシーン
銃弾が命中した瓶の破片が飛んで薬師丸の頬をかすめ出血しているが
これは演出ではなく本当に破片でケガをしているのだそうだ
このシーンの撮影時
薬師丸が破片が飛んでくる危険な位置まで飛び出してしまったときに
撮影を止めるのが黒沢の役目だったが
OKカットになるような予感がして
飛び出した薬師丸を止めなかった
結果的に主演女優の顔に傷がついてしまった事故シーンだが
このOKカットが映画の最も象徴的なシーンとなった
※
『太陽を盗んだ男』での逮捕覚悟の撮影
『セーラー服と機関銃』での薬師丸ほっぺた傷つき事件等
黒沢清監督のやんちゃぶりが伺える
※
2008年には同監督の『トウキョウソナタ』が
第61回カンヌ国際映画祭「ある視点部門」審査員賞も受賞
ラストシーンの音楽大学附属中学校の入学試験
実技試験の会場で主人公夫婦(香川照之、小泉今日子)の息子が
クロード・ドビュッシーの「月の光」を演奏
いかにも黒沢監督らしいエンディングとなっている
詳しくは映画を見てみよう
7月19日は黒沢監督の誕生日
今日のカクテルは『トウキョウソナタ』のラストシーンにちなんで
ムーンライトにしましょう。
※
Moonlight Cocktail
Recipe
材料 | 分量 |
Cognac Brandy / コニャック・ブランデー | 1/2 |
Sweet Vermouth / スイート・ヴェルモット | 1/2 |
Aromatic Bitters / アロマチック・ビターズ | 2dash |
Suger Sirop / シュガー・シロップ | 1dash |
材料をステアしてカクテルグラスに注ぐ
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